きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「武王の門 上」北方謙三(新潮文庫)
【ここを生きよ、ということでございますか。いまこの時だけ、生きよと】
描いた夢がある。
そして、託した夢がある。
時は南北朝。
共に夢を見、その夢を現実のものとするために、奔走する男たち。
そこに私欲はない。
目指すは新しい日本。
それを成しうるだけのものを備えた男、
即ち、後醍醐天皇の皇子・懐良に、全力でついていく。
自らの命を投げ打ってでも、守りたいものは、彼の命であり、彼らの夢である。
どの物語でも、北方の生死観に触れると、心が震える。
生きるために生きる。
そのことを痛切に感じさせられるから。
夢を語ることのできる友と、懐良はどこまで駆けつづけることができるのか。
ドキドキしながら次巻へ。
北方浪漫健在!
この時代を駆けた男たちの在り方が鮮烈すぎて、動悸が収まりません。
そして北方の語り口調、馴染みすぎてものすごくしっくりきます(笑)
内容(「BOOK」データベースより)
鎌倉幕府を倒し、後醍醐天皇が敷いた建武の新政も、北朝を戴く足利尊氏に追われ、わずか三年で潰えた。しかし、吉野に逃れて南朝を開いた天皇は、京の奪回を試み、各地で反撃を開始する。天皇の皇子・懐良は、全権を持つ征西大将軍として、忽那島の戦を皮切りに、九州征討と統一をめざす。懐良の胸中にある統一後の壮大な『夢』とは―。新しい視点と文体で描く、著者初の歴史長編。
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