きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「水滸伝17 朱雀の章」北方謙三(集英社文庫)
その男にあまりにも似つかわしい壮絶な死に様に、
読後、たまらずに溜息が零れた。
彼に限らず、戦いの中で散っていった多くの男達。
敵は強大。
圧倒的な数の差はあまりにも大きくのしかかる。
戦闘を「愉しみだ」と言う童貫の余裕が薄ら寒い。
梁山泊に集った彼らは掲げた志のために駆け続ける。
自らの命が尽きる、その瞬間まで。
だが、彼らの命は受け継がれる。
その想いを受け取った仲間たちによって。
そして、彼らの生き様を語り継ぐ者達によって。
「替天道行」の旗に包まれて梁山湖に沈む彼には穏やかな眠りを。
労いの言葉の代わりに、月明りを。
ケイロニアの王に「息子よ」と言われたグインに私、号泣しましたが。
蘆俊儀の「わが息子、燕青よ」でやっぱり泣きそうになってしまった。
血の繋がりがなくとも、心の底から想いあう絆には心が震えます。
そして下村(@ブラディドール)がいますよ!ここに下村が!と、
ふいに叫びたくなるシーンが(笑)
珍しく雄弁な彼の語った壮絶な過去。
窮地に陥ればお互い助けにいくくせに遠慮なく罵りあう相手がいてよかったね。
内容(「BOOK」データベースより)
童貫と〓美(ほうび)が、怒涛の猛攻を開始した。董平率いる双頭山が総力を挙げて迎え撃つが、次々と同志は討たれていく。更なる禁軍の進攻を止めるため、侯健は偽の講話案を進めていた。巧みに高〓(こうきゅう)を信じさせるが、そこには思わぬ落とし穴が待ち受けている。一方、致死軍と高廉の軍の決戦が間近に迫っていた。闇の中で、両者は息を潜め、刃を交える時を待っている。北方水滸、悲泣の十七巻。
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