当事者たちにとっては、決して掘り返されたくはない過去。
秘密にされることで苦しんできた者にとっては、明確にさせたい過去。
そうでなければ、知ることのできない己の存在意義。
けれども、彼が知りたいと希求するものは、誰にとっても知るのが辛い過去なのだ。
「過去」を探ろうとする最中の「現実」で起こる殺人事件。
絡んだ糸は何処までも複雑にまとわりついて、彼らを苦しめる。
幸せな家族が一組も出てこないことが、読んでいてとてもつらい。
親が子供にあたえる影響は計り知れないということを、改めて胸に刻んだ。
燃え盛る炎にさらなる息苦しさを感じながら次巻へ。
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