きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「永遠の仔 三」天童荒太(幻冬舎文庫)
【おれたちは、別の世界で始めるんだ。
この世界の人間は誰もいない、新しい世界で、
どんな痕も残っていないきれいなからだで、初めから生き直していくんだ……】
実の親から受けるには、あまりにも凄惨な過去の出来事の告白。
優希が呑みこんできた想いを吐き出すことができたのは、
笙一郎と梁平もまた、同じような修羅をくぐってきたからだ。
子どもが受け止めるにはあまりにも辛い仕打ちを何故血の繋がった親ができてしまうのか。
子どもは親の憤りや苛立ちの捌け口ではない。
「新しい世界で初めから生き直したい」
10代になって間もない子供の台詞が痛々しくてたまらない。
依然として知れない聡志の行方。
大人になって再会した三人の想いも少しずつ歪さを増していく。
息苦しさを払拭できないまま、次巻へ。
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