きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「津軽」太宰治(新潮文庫)
時に卑屈に、時に溌剌と。
時に皮肉に、時に素直に。
時に傲慢に、時に謙虚に。
綴られる言葉の随所に滲むのは、
故郷に対する、そしてかつてその地で交流を持った人々に対する彼の深い思い。
あたかも彼と一緒に旅をしているかのように、
「津軽」を巡る幸せな読書時間。
実際に訪れたことがあるからこそ、情景がリアルに浮かぶ。
土地の人たちのイントネーションが恋しくなる。
こんなにも魅力的に「津軽」を綴った作品は、他に知らない。
旅の終わりに心の平和を与えてくれる人の元へと帰り着く。
そこで記されたラスト一文。
「元気で行こう。絶望するな」
この余韻が刺さったまま抜けない。
卵味噌!文中に出てきた卵味噌で脳内がいっぱい(笑)
幼少時、風邪をひいたら作ってもらえたこの卵味噌がとても好きでした。
「具合悪くないけど、卵味噌作って」と今度母に可愛くお願いしてみよう。
三厩の義経寺は機会があったら行ってみたい。
合浦公園は幼少時のお散歩場所。
近所のお兄ちゃんとお兄ちゃんの犬と一緒によく行ってたなぁ。
6月に太宰を!という趣旨で選んだのがこの一冊。
最初は『斜陽』にしようと思ったんだけど、本棚になかった。あれ?手放した??
けど、GWに青森に行ったタイミングだったので、本書で正解。
PR
COMMENT