きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「海の底」 有川浩(角川文庫)
【それでも、理解してくれる人は理解してくれる。
そう信じて義務を果たすしかない。】
非日常のパニックの中で奔走する人たちの感情がリアルに伝わってくる。
抱える悩みも憤りも歯がゆさも悔しさも苛立ちも。
恋心も喜びもなんだかひどくリアルに理解できてしまう。
それぞれの立場の人たちの、それぞれの考えや思いが伝わってくる。
歪んだ価値観を指摘され、己の歪みに気づいて彼なりのやり方で尻をぬぐった圭介のことは
好感は持てなかったけれども、その勇気はすごいなーと思った。
自分勝手に騒ぐ子供たちをごまかすことも適当にあしらうこともせず、
まっすぐに真摯に向き合った夏木と冬原のコンビ。
容赦のなさとやさしさと子供たちに対する責任感とが本当にカッコ良かった。
前夜祭に収められた彼らの馬鹿騒ぎ(笑)は最高でした!
そしてそんな彼らの成長を見守る上官たち。
そんな上司の元で働けたら幸せだろうなー。
非常事態を収めるために自分のできる最善のことをしようと奔走した烏丸・明石・滝野……
自国の国民を守るためにどんだけメンドクサイ手続きを踏まなければならないのかを思い知りました。
文句なく面白かったです!
内容(「BOOK」データベースより)
4月。桜祭りで開放された米軍横須賀基地。停泊中の海上自衛隊潜水艦『きりしお』の隊員が見た時、喧噪は悲鳴に変わっていた。巨大な赤い甲殻類の大群が基地を闊歩し、次々に人を「食べている!」自衛官は救出した子供たちと潜水艦へ立てこもるが、彼らはなぜか「歪んでいた」。一方、警察と自衛隊、米軍の駆け引きの中、機動隊は凄絶な戦いを強いられていく―ジャンルの垣根を飛び越えたスーパーエンタテインメント。
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