きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「火焔樹」北方謙三 (徳間文庫)
身体を張って戦うことのできる男には、それなりの素地がある。
ただのエリート商社マンだった男にはあんなふうにナイフもランクルも扱えない。
戦える男だったが故に、満身創痍になり、友のために手にしたナイフ。
友のための熱い想いの他に、
罪悪感に打ちひしがれた過去も彼の行動を後押しした気がする。
山の中で空疎に生きていた彼に火をつけたもの。
それは、彼を取り巻く他人。
人を変えるのは、やはり人だ。
男に引き上げられるように、少年も加速度的に成長していく。
本来であれば知る必要のなかった痛みと強さを糧にした
ちょっと悲しい成長。
それでこそ、北方。
「何でこの表紙?」と読み始めて思うわけだけど、
読み続けていくと、すごいシーンを表紙に持ってきたなぁ、と、しみじみと思ってしまった。
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