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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「白銀の墟 玄の月 第三巻 十二国記」小野不由美 (新潮文庫)



繋がり、そして実を結んでいく点と点。
「いつか来るべき時」を諦めなかった人たちが、確かにいた。
理不尽な暴力に晒された人々を見過ごせない人たちがいた。
「やるべきこと」を為しつづけた人々が集まれば、
国を動かす力になる。
方々に散った人たちを結びつけることになった李斎の旅。
一方で独りよがりの逆恨みを抱き、或は興味本位で人々の運命を弄んだ輩に感じる憤り。
何より腹立たしいのは、その後すべてを放棄したことだ。
泰麒も目的のためにはその手で暴力をふるうことを厭わない。
そして、彼こそが諦めてはいなかった。
白雉が落ちていないこと。
それこそが天意。

軍が軍として機能するためには何が必要なのか。
北方の梁山泊で学んだことを思い出す。
感謝の意を後世まで伝え続けるその姿勢に、エルトゥールル号(『海の翼』参照)のことを思い出す。
最大の振り返りは『魔性の子』のエピソード。
あの時の出来事がここで繋がる壮大さ。
心躍らせながら最終巻へ。

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