きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「皆月」花村萬月(講談社文庫)
【ふつうの生活をしていると、そこまでするかって思うけど、
渦中にいると、何も見えなくなってしまのよ】
一千万円の貯金を奪われ、突如として妻に捨てられた諏訪徳雄。
沙夜子の元夫である彼は、アキラの兄貴であり、由美のオッサンであり、
我孫子たちのおとうさんだった。
これは再生の物語。
諏訪は男として、由美は女として、そしてアキラは人間として。
人生に躓いた人たちが互いに支えあいながら、前に進む物語。
アキラの無邪気さと純粋さ、そしてまっすぐさは人を守る最強の盾であり、
時に人を死に至らしめる最凶の鉾でもある。
大人になりきれない淋しさと孤独が見え隠れする彼はどこか不憫で憎めない。
だからと言って人を殺していいということにはもちろんならないけどねww
居場所を作って待っていてくれる人ができて、ホント、良かった。
必死でがんばった由美の頭を私も撫でてあげたいなぁ、と思いました。
内容(「BOOK」データベースより)
諏訪徳雄は、コンピュータおたくの四十男。ある日突然、妻の沙夜子がコツコツ貯めた一千万円の貯金とともに蒸発してしまった。人生に躓き挫折した夫、妻も仕事も金も希望も、すべて失った中年男を救うのは、ヤクザ者の義弟とソープ嬢!?胸を打ち、魂を震わせる「再生」の物語。吉川英治文学新人賞受賞作品。
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