きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「神を喰らう狼」榎田尤利 (講談社文庫X文庫ホワイトハート)
フェンが好き。大好き。
だから、自分の持てるものは全部フェンにあげる。
そんなボーイの気持ちが一途で純粋であるが故に、
涙が溢れて仕方なかった。
ボーイと同じ運命を背負ったリトルもまた、
大好きなローズのために全てを投げ出す覚悟を胸に抱いている。
クローン体である彼らを「家畜」と同等にみなす人がいる一方で
「人間」としてみなして心を痛める人もいる。
あまりにも非人道的な権力なんて叩き潰してしまえと思うけれども、
それはままならない。
だから彼らは戦うのだろう。
命とは。自我とは。生きるとは。
抉られるような鋭さで突きつけられる。→
シリーズ一作目。
全く身構えることなく読み始めてしまったおかげで、
ちょっと呆然としてしまった読後の重厚さが半端ない。
フェン視点の描写がもう少し欲しかったところだけど、
辛すぎて更にダメージを喰らった気がする。
あたしはここにいる、と口にしたリトル。
それは紛れもなく「個」として生きている証。
自我を与えるのなら、奪わないで。
彼らの生きる権利を。
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