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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「私が殺した少女」原尞(ハヤカワ文庫JA)



硬質な文体からは地に足の着いたカッコよさが滲んでいる。
生き様のブレない登場人物達。
探偵・刑事・ヤクザ。
どうあっても相容れない者達が、互いに認め合っている。
だが、彼らは決して馴れ合わない。
そんな関係が魅力的。
本筋から外れるけど、沢崎に橋爪が仕事を依頼する場面がとても好き。
誘拐事件を軸に展開する物語。
グイグイと引きこまれ、一気に読み進めるのだけれども。
クライマックスで自分が物語から弾かれてしまったかのような
疎外感を味わって途方に暮れる。
その理由は真相解明の手法。
とはいえ、登場人物が魅力的なことには変わりないので、
続刊も楽しみに読もうと思います。


以下ネタバレ含みます。
個人的にべらべら喋って一方的な真相解明をするのが好きじゃないので、
読後のすっきりしない感は個人的な好みによるものだと思います。
『そして夜は甦る』を読了した時の高揚感が半端なかったので、
本作に対する期待感が高すぎたのも余計な先入観。
とりあえず真っ正直に感想を綴ってみました(笑)




内容(「BOOK」データベースより)

まるで拾った宝くじが当たったように不運な一日は、一本の電話ではじまった。私立探偵沢崎の事務所に電話をしてきた依頼人は、面会場所に目白の自宅を指定していた。沢崎はブルーバードを走らせ、依頼人の邸宅へ向かう。だが、そこで彼は、自分が思いもかけぬ誘拐事件に巻き込まれていることを知る…緻密なストーリー展開と強烈なサスペンスで独自のハードボイルド世界を確立し、日本の読書界を瞠目させた直木賞・ファルコン賞受賞作。

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