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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「レベッカ・ストリート」菅野彰(ディアプラス文庫)



傍らに恋人がいるのに、癒えない傷が終始疼いて。
彼らの抱えた淋しさと孤独と後悔に、侵食される。
自分の尺度でしか愛を計れなくて。
ちゃんと愛せているのかどうか惑って。
自分がその愛に値するか悩んで。
それでも、懸命に誰かを愛そうとして、その愛故に傷つき、不安に苛まれる。
だけど、気づいて。
貴方たちは何も欲しがっていない。
ただ、与えたいだけ。
ただ、ぬくもりを感じていたいだけ。
離れてしまっては、今度こそ後悔と寂しさに押しつぶされてしまう。
だから、その愛を受け取って。
そう思った時。
「あんたは、何が欲しい?」という幸也の問いかけに対するカイルの答えに号泣しました。
それしかないと思ったから。

抉られるような硝子みたいな淋しさに泣かされて、
根底に滲む濁りのないやさしさにやっぱり泣かされる。
菅野さんの物語は総じてそんなイメージ。
そして私は、そんな菅野さんの感性がとても好き。
久しぶりに『HARD LUCK』読み返したくなりました。
読み返すというより、改めて文庫で買いそろえよう!と思ってみました。←

内容(「BOOK」データベースより)

1996年、ニューヨーク。探偵事務所を開業したカイルと幸也のもとに舞い込んだ依頼は、死んだ女を葬るため彼女の愛した人を捜してほしいというものだった。癒えない心の傷を抱えて彷徨った女と、その女を深く愛した依頼人。それはいつしかカイルと幸也の関係にもシンクロして…。孤独で傷ついた魂同士が、出会い、深く求め合って始まる、心震わす愛の物語。オール書き直し&加筆で、著者初期の傑作が完全復活!!

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