きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「ガソリン生活」伊坂幸太郎(朝日文庫)
スキルはあくまでも一般車の範疇を出ないまま。
アクセルを踏む人間がいなければ、彼らはどこにも行けないし、
彼らの傍での会話以外は伺い知ることができない。
だけど、意思を持った彼らの視点で物語はめまぐるしく進行し、
幾重にも積み重なった謎が、彼らの会話で見事に解明されていく。
車独特の言い回しがとても愉快で、
そんな彼らの発言に思わず口元が緩んでしまう。
一癖も二癖もある人物に好感が持てるのも、
ろくでもない人間をサラッと描いてしまっているのも、相変わらずの伊坂節。
ラストはなんとなく淋しさを覚えつつ……のエピローグ。
最後の最後まで楽しませてもらいました。
彷彿とするのは機関車トーマス?
いや、違う!アスラーダだ!と思いつつ。
彼らと違って人間と相互理解できないところが緑デミくんたち。
そんな緑デミくんたちがとてもとても可愛かった。
ザッパで思い出したのが、かつて、
サニーに乗っていた友達のナンバーが2332(ニッサンサニー)だったこと。
これ、希望番号が獲れるようになる前の偶然の組み合わせだったんですよ!
作中には車好き、ガンダム好きにはイロイロとたまらない描写がチラホラと。
何より地元故の土地勘があるおかげで、リアルに景色が脳裏に浮かびました。
内容(「BOOK」データベースより)
のんきな兄・良夫と聡明な弟・亨がドライブ中に乗せた女優が翌日急死!パパラッチ、いじめ、恐喝など一家は更なる謎に巻き込まれ…!?車同士がおしゃべりする唯一無二の世界で繰り広げられる、仲良し家族の冒険譚!愛すべきオフビート長編ミステリー。
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