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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「罅・街の詩」北方謙三 (集英社文庫)



商社から私立探偵に転職した男のもとに舞い込む依頼を綴った7編。
依頼主からの依頼に応えるのと同時に、
何故か調査対象者の事情にも首を突っ込むことになり、
時に傷だらけになっている風変わりな探偵。
意図してるかどうかはわからないけれども、
彼の捜査は「人に寄り添う」ことに則って行われている。
だから、彼らは話す。
それぞれが抱えた事情を。
探偵は時にそれを聞き流し、時にそっと手を差し伸べる。
物語の主役は、常に事情を抱えた彼らだ。
北方にしか醸し出せない何とも言えない情緒が滲む物語。
心地良すぎて読後もしばらく浸っていたくなる。


読み終わってから知ったけど、これ、シリーズ物で続刊があったんですねー。
知らなかったよ!
一話完結の短編でよかった。
ってか、続刊から読まなくてよかった。そこは運が良かった(笑)


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