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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「血と暴力の国」コーマック・マッカーシー(扶桑社ミステリー)



【おれは敵を持っていない。敵がいることを許さない】

「純粋悪」と不運にも人生が交差したが故に、命を奪われる理不尽。
感情の一切を削ぎ落とした文章で淡々と綴られるのは、
現実に起こった出来事のみ。
彼は何故そこに?どうしてそんなことを?
想像はできる。
だが、それ以上は踏み込めない。
けれども、緻密に描かれた行動から、伝わるものは確実にある。
交互に訥々と語られる複数の人物たちの行動を追っているうちに、
いつしかこの世界で起こる出来事から、目が離せなくなってしまっていた。
血の匂いと理不尽な暴力が撒き散らされた物語は
敗北感に打ちひしがれた一人の男の人生の再出発で幕を閉じる。
「今まで一番後悔したことはなんですか?」
こんな淋しい問いかけを発することのない人生であるといい。



内容(「BOOK」データベースより)

ヴェトナム帰還兵のモスは、メキシコ国境近くで、撃たれた車両と男たちを発見する。麻薬密売人の銃撃戦があったのだ。車には莫大な現金が残されていた。モスは覚悟を迫られる。金を持ち出せば、すべてが変わるだろう…モスを追って、危険な殺人者が動きだす。彼のあとには無残な死体が転がる。この非情な殺戮を追う老保安官ベル。突然の血と暴力に染まるフロンティアに、ベルは、そしてモスは、何を見るのか―“国境三部作”以来の沈黙を破り、新ピューリッツァー賞作家が放つ、鮮烈な犯罪小説。

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