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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「護られなかった者たちへ」中山七里 (宝島社文庫)



自分が暮らす国の社会保障制度のことなのに、
ほぼ無知であることに愕然とする。
知らなければ、いざというとき身を護ることができないのに。
全く公正ではない世界で、自分の身を護るためにどう生きていけばいいのか。
自身でどうにもならなくなった時、どこを頼ればいいのか。
縋るような思いで頼った機関が、その扉をピシャリと閉ざしてしまったら?
そこにあるのは絶望しかない。
描かれるのは彼らが声を上げたところでどうにもならなかった実例ばかり。
だけど。
声を上げ続けなければ、何も変わらない。
最後のメッセージが切実に響く。
もっと大きく。もっと図太く。

気づけば登録1900冊目。
狙った選書ではなかったけど、それなりに相応しい作品になったと思う。
土地勘のある分、より身近に感じられたし、何より考えさせられる作品だった。
映画→原作小説の順番で作品に触れた私は、
最初、映画の内容と小説の内容との違いに戸惑う一方で、
え?え?って感じだったけど。
読み進めると映画は映画、小説は小説の面白みが際立ってきて、
脚本書いた人すごーい!となりました。
「これ以上のことは無理だと思った」と言う著者の言葉通り、
素晴らしい映画だったと思う。


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