きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「雪の花」吉村昭 (新潮文庫)
それはワクチンであり、冷凍という保存方法があり、
空輸や電車という移送手段がある。
だけど、それらが見出され、整備されるまでは、
祈りや眉唾の療法しかなく、保存の効かないそれを、
一か八かで運ぶか、人から人へと植え付けていかなければならなかった。
現在の私たちの生活は、
先人たちの努力や献身によってなりたっているのだと、
改めて噛みしめると共に、切り開くまでの道のりの余りの理不尽さに憤りで震えた。
天然痘予防のために生涯を捧げ、
石をぶつけられても、福井の為に、という思いを最後まで捨てなかった良策。
彼の想いの強さと純真さに敬意を。
保守的で利己的な者たちの妨害や嫌がらせはどの時代でもあるんだな、と、
妙に納得してしまえると同時にイラッとする。
深い積雪の峠越えは鬼気迫るものがあった。
援助なしであそこまでやりきった良作に対して、
藩はすぐにでも支援するべきだったんだよ。
読友さんたちと行った秋田で、
解体新書の挿絵を描いた「小野田直武」を知ったことを思い出し、
なんとなくニヤニヤ。
色々調べていたらさるぼぼが赤い色をしている由来に行き当たり、
おお!となりました。
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