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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「革命前夜」須賀しのぶ (文春文庫)



「罪には罰を」
彼はその罪を糾弾したけれども。
罪のからくりを見抜くことはできなかった。
事後にはそれぞれが抱えた罪の意識と、自責の念が燻っている。
それが当時のその国の在り様なのだと。
言い切るには納まりが悪いやるせなさ。
旧体制下の東ドイツ。
音楽を志すために集ったはずの若者たちが、
壁が崩壊する直前の時代の濁流に飲み込まれていく。
掲げる信念は人それぞれ。
だが、それが許されない国での閉塞感。
その中で各人の信念の元、行動した彼ら。
「親愛なる戦友」
大きな傷を負った彼の
それは皮肉でも当てこすりでもなく、掛け値なしの本音。
なんだと思う。

脳裏で終始響き続けるピアノ。
そして、描かれる世界の熱気と迫力に圧倒される、読メ登録1600冊目。
須賀さん、おもしろすぎてヤバイ。
既に積んでるのもあるけど、少しずつ集めていこうと思います。
締め付け具合はソ連の方がよっぽど息苦しく感じられるんだけど、
同種の居心地の悪さを感じる東ドイツ。
好きな時に好きな所に行けて、
思ったことをそのまま口にすることのできる自由を噛みしめる。
ちなみに。
自由に口にしすぎて、独り言に対して返事や突っ込みが入るという事態が
時々社内で発生しています。




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