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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「すばらしい新世界〔新訳版〕」ハクスリー (ハヤカワepi文庫)



瓶の中から生まれてくる命。
その瞬間から既に決められている階級。
決められたことの繰り返し。
レールから逸脱することのない日々。
みんながみんなのもの。
しあわせはみんなと一緒に。
ならば、私は?
私が私で在ることの意味はどこに在る?
考えることは異端。
考えることは不幸。
自由意思の世界を知らないからこそ、幸せでいられる彼ら。
故に、知ることは不幸。
……本当に?
すばらしい新世界。
唱えるたびに背筋が寒くなる。
だが、彼らにとってユートピア。
私はこの作品がディストピアに分類される意味を考え続けられる思考でありたい。

1932年の作品。
本当に?と確認してしまうほど、時の隔たりが感じられるじられることがない。
不朽の名作と呼ぶに相応しい色褪せなさ。
素晴らしい。
「むちむちした肉体」「むちむちした椅子」
原書でこの「むちむち」はどんな単語なの?と興味津々。
オーウェルの『1984』よりもとっつきやすい作品。
けれども。
表現のソフトさに誤魔化されてはいけない。
描かれているのは紛れもないディストピア。
クドカンの映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』の天国の描写を思い出した。
【ガーディアン必読 97/1000】

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