きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「風の万里 黎明の空 上」小野不由美(新潮文庫)
いつまでも心に留めておきたい名言格言だらけの巻。
自分がかわいそうで仕方のない鈴。
自分の苦境をすべて人のせいにして嘆く祥瓊。
あまりにも自分のことしか考えていなかった二人が、
旅の途中で人々と交わる中で、少しずつ周囲に目を向けていく。
誰かのせいにして文句を言うことも泣くことも簡単だけれども、
そこから抜け出す努力をしなければ何も変わらない。
とはいえ、言うは易し、なんだよね。生きる、ということは本当に大変だ。
一方、自分が国の民のことを何も知らないことを誰よりもわかっている陽子は、
身分を隠して民の中へと分け入っていく。自国の民のことを知るために。
様々な柵を抱えた三人の少女たちの物語に自分を顧みながら次巻へ…
内容(「BOOK」データベースより)
人は、自分の悲しみのために涙する。陽子は、慶国の玉座に就きながらも役割を果たせず、女王ゆえ信頼を得られぬ己に苦悩していた。祥瓊は、芳国国王である父が纂奪者に殺され、平穏な暮らしを失くし哭いていた。そして鈴は、蓬莱から辿り着いた才国で、苦行を強いられ泣いていた。それぞれの苦難を負う少女たちは、葛藤と嫉妬と羨望を抱きながらも幸福を信じて歩き出すのだが―。
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