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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「風の聖衣 挑戦シリーズ3」北方謙三(集英社文庫)



彼はただ、そこに在っただけ。
無二の友と共に。彼らの信仰と共に。
そして、村人たちの安息のために、極限まで肉体を研ぎ澄ませ、闘ってきたのだ。
大きな犠牲を払いながらも、守り通した村民の日常。
束の間でも、安息の日が訪れるはずだった。
めでたいことへの祈りしか許されない岩。
その場所を血で汚した男がいる。
決して墜としてはならない星に手を掛けた男の身勝手さに腹が立つ。
拭えない敗北感を抱き続けた自らの心の再生に、何故他者の死を必要とする?
結局、彼は敗者で在り続けるのだ。
「はじめに行くところを間違えた」彼の言葉が酷く虚しい。
何故なら、私もそう思うから。

日本から遥か遠くのアンデスの地で「老犬トレー」口ずさむ三人の男。
結末がわかっているから、読み進めるのが嫌で嫌で……遅々として進みませんでした。
むーらーさーわーーー!!
これを読むと、北方は水滸伝を書くべくして書いたのだと、改めて思います。


内容(「BOOK」データベースより)

風吹きすさぶペルーの高山地帯。「狼」と呼ばれ、ゲリラの指導者となり、村の守護神として尊敬を集めている水野竜一を村沢がつけ狙う。彼は殺すべきではなかった男を射殺し、その心の傷をいやすべく傭兵となり、ペルーをさまよう元刑事だった。村沢は「狼」の村の攻撃を計画、あらゆる手段をつかって「狼」をおびき寄せようとするが…。

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