きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「魂の岸辺」北方謙三 (集英社文庫)
猿なの?いや、それは猿に失礼かしら?
と思ったところがスタートライン。
そこから少年は見事な成長を遂げたけれども。
その成長に少なからぬ影響を与えた男は、
馬鹿なの?と思ったところがゴールライン。
必ずしもそれしか選択肢がなかったわけではないはずだ。
なんだか悔しいなぁ。
中学生にしてはヘビーな悩み事に翻弄された子どもたち。
理不尽な圧力に屈するまいと戦った大人たち。
背伸びしつつも、周一が周囲の愛情をきちんと受け止められる子どもで良かった。
多くを語らない言葉から、何が起こったのかを推測させる。
そんな文章が冴え渡っていた。
「あのナイフはあんたから買ったんだよ」
この件がとても好き。
再び男と対峙する時、既に青年となった少年は腕を鍛え上げているのだろう。
そんな二人が酒を酌み交わす姿を想像すると口角が緩む。
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