きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「慈雨」柚月裕子 (集英社文庫)
退職した刑事が妻と共に辿るお遍路の旅。
語られるのは彼らの旅の行程、現在と過去の幼女誘拐殺人事件の顛末、
そして彼自身の、或いは関わりあいを持った人々の人生。
彼らと共にお遍路を辿りながら、
漣のように訪れるそれらの事象に引き込まれていく。
巡礼の旅は自己の内面と向き合う旅でもある。
贖罪につながる悔恨を抱えた神場にとっては苦しい旅路。
そんな彼に寄り添った香代子の存在が大きな癒し。
この夫婦、素敵だなぁ。
事件解決に奔走した緒方の姿も好感が持てる。
だから娘さんの恋は案ずることはない。
あなた方の背中を見て育ってきた子なんだから。
かつて訪れた四国の風景を懐かしく思い出しながら読み進めました。
四国には2度行く機会があったけど、どっちも楽しかった。
「空が広い」と言う描写に納得。
この作品を読みながらまた行きたいという思いが沸々と。
私が「逆打ち」から連想するのは『死国』ではなく『炎の蜃気楼』。
感想あげるのが途中で止まっているけど、いつか再開したい。
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