きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
『A』河出文庫(中村文則)
薄い膜一枚隔てられた世界の中で
膜の外を頑なに拒絶するかのような者たちの視点で始まる短編集。
その膜が突き破られた後は、変幻自在の世界が展開していく。
並べられた物語は理解することを望まれているわけではなく、
そして理解しようとするものでもなく。
自由に綴られた著者の言葉を追った読み手が、
そこから伝わるものを自身の感性で受け止めるだけでいい。
読後感的になんとなく気持ち悪かったのは、
私的に相容れる中村文則と相容れない中村文則が混在していたから……かな。
個人的には『妖怪の村』がベスト。
インパクトが大きかった。
これで『逃亡者』以外の中村作品読了。
その中での私の順不同のベストスリーは
『遮光』『掏摸』『あなたが消えた夜に』。
PR
COMMENT