きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「メルサスの少年」菅浩江(新潮文庫)
精一杯背伸びをし、早く大人として認められたいと願う少年イェノム。
自分を優しく包み込み、保護してくれている世界から
少しずつ外の世界のことを学ぶにつれて見えてきた大人の世界は、
駆け引きや嘘や偽りが混在する世界だった。
あれほど大人になることを夢見ていた少年の叫び。
「もう大人になんかなりたくないや!」
それは、純粋さ故に出てきた言葉なのだろう。
けれども。
大きく変動する時代の流れは、少年を子供のままではいさせてはくれない。
壁にぶつかり、悩みながらも、いつしか、少年も大人の世界の理を知ることになる。
時には思いやり故の嘘が必要なこともある。
そして、すべてが汚れきった大人ではないことを、
まわりの大人たちが身を以て証明してくれるのだ。
イェノムのように大人になっていけることは、人として最高の幸せだと思う。
内容(「BOOK」データベースより)
辺境の荒野に囲まれた〈螺旋の街〉。そこは貴重な鉱石パラサンサを採掘する男相手の歓楽街、女ばかりの街だった。ある時、予言者の孫娘カレンシアが街に逃げてきた。彼女は、パラサンサを独占して世界の支配を狙う「トリネキシア商会」の軍隊に追われていたのだった。街でたった一人の少年イェノムは彼女をかくまうが、トリネキシアの魔手は〈螺旋の街〉にも忍び寄っていた…。
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