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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「君のためなら千回でも」カーレド・ホッセイニ(ハヤカワ文庫)



【この川のなかに入れば、みずからの罪を川底に沈め、
 流れにまかせてどこかへ行くことができる。
 亡霊も、想い出も、罪もないどこかへ】

その年に起きた出来事は、12歳の少年アミールや
彼の周りの多くの人たちの運命を大きく変えてしまった。
アミールを庇ったことによって11歳の少年ハッサンが悪童たちの暴力の対象となり、
アミールが逃げたことによってハッサンが心と身体にひどい傷を負ってしまう。
自らの臆病さと裏切りを悔いながら、アミールの26年の人生は費やされていく。

贖罪を望むなら、ハッサンを対等に扱うべきだったのだと思う。
ハッサンによって罰せられることを願うのではなく、
傷ついたハッサンを友だちだと、抱きしめてあげるべきだったのだと思う。
だが、僅か12歳の少年にそれを望むのは、ずいぶんと酷なことだろう。
そして、僅か11歳でありながら、ハッサンがアミールに対して
最後まで示した忠誠と献身には涙が溢れそうになる。

罪の意識を抱えながら、アミールは大人になっていく。
結婚を前にアミールに自らの過去を告白したソラヤの勇気と、
ソラヤのすべてを受け入れたアミールのやさしさが心に沁みた。

哀しさの中にも誰かが誰かを思いやる気持ちに溢れている。
やるせなさを抱えたまま、次巻へ。


内容(「BOOK」データベースより)

「君のためなら千回でも!」召使いの息子ハッサンはわたしにこう叫び、落ちてゆく凧を追った。同じ乳母の乳を飲み、一緒に育ったハッサン。知恵と勇気にあふれ、頼りになる最良の友。しかし十二歳の冬の凧合戦の日、臆病者のわたしはハッサンを裏切り、友の人生を破壊した。取り返しのつかない仕打ちだった。だが二十六年を経て、一本の電話がわたしを償いの旅へと導く―全世界八〇〇万人が涙した、衝撃のデビュー長篇。

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