きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「血涙・下」北方謙三 (PHP文庫)
何のための戦いか?
と、己の中で問いかけながら読み続け、
最重要な局面での、味方のはずの軍からのあんまりな仕打ちに
「またかよ!」とギリギリとした思いを噛みしめる。
なんなの、この理不尽。
使い捨てられるとわかっていながらも
全力で戦いに挑んだ楊家の者たちが痛々しい。
これが「国家」という柵に縛られるということ。
やりきれない。
国の在り様を真摯に論じる次世代を担う若者たちの姿が唯一の救い。
二人の偉大な父を持った彼の苦悩と再生が
個人的にはクライマックス。
誰も彼もが結局は父の遺志に殉じた。
滅びの美学。
そんなものはいらない。
生きて欲しかった。
個人的には白き英雄を見送ったところで「完」で良かったわ。
ああ、でもそうすると副題が『新楊家将』ではなくなってしまうかしら?
楊家の男たちの死が理不尽すぎて、憤りとやるせなさしかない。
この作品で北方登録数100冊!
記念すべき節目(?)の作品で何故か憤っている私(^^;
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