きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「ベルリン飛行指令」佐々木譲 (新潮文庫)
目指すは一路、ベルリンへ。
この美しい機体を届けるために。
彼らは何故、その極秘の任務を諾としたのか。
その理由に胸が震える。
付随する数多くの困難が示されるからこそ、
任務を全うすべく選ばれた軍人らしからぬ男たちの存在に期待値が高まる。
と同時に、それが困難であるからこその不安に苛まれる。
地上で根回しをした人たちの尽力にも胸が熱くなる。
と同時に、理不尽に憤りが募る。
彼らが飛び立った時の高揚感は、読後に寂寞感に塗り替えられ、胸が疼く。
読了後に第一部に立ち返り、
硬い表情の男の心情を思って涙。
余韻に浸った後、『エトロフ急発進』へ。
「軍人である前に飛行機乗りなのです」
彼はそう言ったけれども。
戦時下において、軍人であったからこそ、乗ることができた飛行機。
飛ぶことに対する純粋な想いが伝わってくるだけに、
時代がやるせない。
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