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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「カッコーの巣の上で」ケン・キージー(冨山房)



笑うことを忘れ、思考を停止させ、
管理された時の中で生きるウサギたちに
人間らしく在ることはどういうことなのかを
知らしめた男がいた。
その状況に疑問を呈し、従うことを諾とせず、
抵抗を試みた男がいた。
彼に触発され、感情を取り戻していく男たちの描写からは、
その賑やかさが聞こえてくるようだ。
けれども。
立ち向かうにはあまりにも強大だった権力。
え?これはSF?と言いたいところだけれども。
こんなことが実際に行われていた時代があったことに戦慄する。
偽りの屈服を良しとしなかった彼。
その志は伝わっている。確かに。

個を個たらしめているもの。
それを抜き取られてしまったら、
それはただの有機体。
彼はもう、そこにはいない。
『カッコウはコンピューターに卵を産む』とごっちゃになって、
あれ?これ何の話??と混乱した読み始め。
読後にまさかこんなにやるせない想いを噛みしめるとは思わなかった。
読めて良かったです。
【ガーディアン必読101/1000冊】

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