きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「ザ・ロード」コーマック・マッカーシー(ハヤカワepi文庫)
【絶対に忘れないからね。なにがあっても】
滅びゆく世界の極限状態の中で、飢えをしのぎ、寒さと戦い、
南へ、ただひたすらに南へと向かう父と息子。
そこに楽園があるとはとても思えない終末世界。
だが、希望を失うことは、生きることを諦めること。
だから二人は歩き続ける。
そのぬくもりを分かち合い、少ない食料を等分し、互いを自らの生きる寄る辺として。
人が人であることをやめてしまったような荒れ果てた世界で
他人を思いやる純真さを失わない少年。
そして父もまた、あたたかな大地のような愛を失ってはいない。
ふたりの在り方があまりにも私の知る人間らしくて。
淡々と描かれる二人の姿に、父の愛と息子のやさしさに、胸が締め付けられた。
内容(「BOOK」データベースより)
空には暗雲がたれこめ、気温は下がりつづける。目前には、植物も死に絶え、降り積もる灰に覆われて廃墟と化した世界。そのなかを父と子は、南への道をたどる。掠奪や殺人をためらわない人間たちの手から逃れ、わずかに残った食物を探し、お互いのみを生きるよすがとして―。世界は本当に終わってしまったのか?現代文学の巨匠が、荒れ果てた大陸を漂流する父子の旅路を描きあげた渾身の長篇。ピュリッツァー賞受賞作。
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