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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「シッダールタ」ヘルマン・ヘッセ(新潮文庫)



この世界に在るものの、一切の肯定。
そして、あるがままの我々の在り方の肯定。
一度は世俗に塗れたシッダールタの、否定の一切ない、
あたたかく愛に満ちたまなざしが胸に沁みる。
そんな彼とて、完璧ではない。
彼は父を顧みず、或は、息子を縛る。
痛みを知り、挫折を知り、哀しみを知る。
だからこそ、他者にやさしく、どこまでも寛容で在れる。
シッダールタの人生を例えるなら、まさしく「川」に他ならない。
たゆとう流れの中で、多くのことを知り、或は習得する。
流れの中で出会った他者との対話を通して、さらなる高みを極めていく。
ヘッセ自身が解脱者であるかのような壮大な物語。
その世界の美しさに、ただ、溜息。

今回の高橋氏のツボ訳は「ひげぼうぼう」でした。
ヒゲボーボー……原文、気になる(笑)
これは二度三度読んで身になる物語だと思いました。
完成度の高さ(って言うのかな?これだっていう言葉がみつからない)半端ない。

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