きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「パルプ」チャールズ・ブコウスキー(新潮文庫)
ヤバくなったら金蹴り。
殴った相手の財布の中身は自分のもの。
飲んだくれの自称LA一の名探偵。
その名もニック・ビーレン。
調査に乗り出しては事態を引っ掻き回しているだけにしか見えないにも拘らず、
何故か依頼人達の問題は次々と解決していく。
何この人!?と、最初は思うわけですが……
彼の日常を追っていくと、彼なりの筋が通っている。
女好きに見えても、仕事の据え膳は喰わない。
いい加減だけど、決して人生を楽観視はしていない。
むしろ、終始ハチャメチャなだけに、チラリと覗く諦念が余計に際立って
哀愁さえ帯びるところがなんだかずるい。
とてもずるい。
宇宙人がいても赤い雀がいても、まったく不思議のない世界。
頭をニュートラルにして読むのが一番。
不思議と物語世界に馴染んでいきます。
「十匹のうさぎみたいにばんばん跳ねてる」
私、この表現はしばらく忘れられそうにありません。(笑)
内容(「BOOK」データベースより)
ニック・ビレーンは、飲んだくれで、競馬が趣味の超ダメ探偵。ところが、そんな彼に仕事が二つ転がり込む。ひとつは死んだはずの作家セリーヌをハリウッドで見かけたから調べてくれという“死の貴婦人”の依頼、もうひとつは“赤い雀”を探してくれという知人の依頼。突然の仕事に大張り切のビレーンは、早速調査にのり出すのだが…。元祖アウトロー作家の遺作ハードボイルド長編。
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