きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「レ・ミゼラブル 下」ヴィクトル・ユゴー(角川文庫)
激動の時代に生きた人々の物語。
19世紀を生きた著者が願った通りの平穏な未来が、
今、この世界にないことが些か残念だと思うと同時に
人間の刻む歴史はそんなものだと思う自分もいる。
一人の男と係わり続けた結果、揺らいだジャヴェールの信念。
二律背反に引き裂かれて自らの未来を閉ざした彼は、頑なに過ぎたのだろう。
そして己の信念に殉じたジャン・ヴァルジャン。
あまりにも厳しく、苛烈な生き様に胸を打たれる。
彼が「幸せだった」と感じられる時を過ごせたことは救いだけれども。
「これからの」幸せにも目を向けて欲しかった。
それだけの贖罪はしたのだと、思うから。
下巻はマリウスの青二才っぷりにイラッとしつつ読了。(苦笑)
奔放なガヴローシュがとても魅力的。
1862年に発行された本。
150年以上たった今でも、その面白さは損なわれることなく、こんなにも惹きこまれる。
岩波→角川と読んできたので、いつか新潮版も読んでみたい。
【ガーディアン必読 49-2/1000冊】
内容(「BOOK」データベースより)
あわただしい時代のなかで、貧しくても上昇志向でがんばっていた青年マリウスは、ある美少女に恋をした。謎の男性といつも一緒のコゼットだ。彼女への思いをつのらせる彼だったが、革命騒ぎのまっただなかに巻き込まれ、絶対絶命となる。そのとき、コゼットと一緒にいた男、ジャン・ヴァルジャンと再会した!ジャヴェール警部、凶悪犯テナルディエなどもまじえながら、壮大な物語は感動のクライマックスへと向かう―。
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