きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「時の娘」ジョセフィン・ティ(ハヤカワ・ミステリ文庫)
真実はひとつ。
それを知り得る当事者たちが既に時の彼方に旅立ってしまっている場合、
今を生きる者たちは、書物を紐解き、思考を巡らせることで、その真実を考察する。
そのことにどれだけ膨大な労力と時間を費やしても、
そこでたどり着いた答えはどこまでも推測でしかなく、
本当の真実は当事者しか知りえない。
歴史的事実は明確であっても、そこに付随する真実は
黙して語らない死者のみが知るところ。
歴史は浪漫だなぁ、と思う所以です。
それぞれが蓄えた知識を持ち寄りながら、何故?どうして?を
調べて考察していく過程が、とても面白かった。
英国史上最も悪名高い王、リチャード三世——彼は本当に残虐非道を尽した悪人だったのか? 退屈な入院生活を送るグラント警部はつれづれなるままに歴史書をひもとき、純粋に文献のみからリチャード王の素顔を推理する。安楽椅子探偵ならぬベッド探偵登場。探偵小説史上に燦然と輝く歴史ミステリ不朽の名作。
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