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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「時計仕掛けのオレンジ 完全版」アントニイ・バージェス(ハヤカワepi文庫)



【神は、善良であることを望んでおられるのか、
 それとも善良であることの選択を望んでおられるのか?】

犯した罪は償わなければならない。
では、矯正の兆しがないからといって、強制的な条件付けをすることは是か非か?
意志を奪取された人間は、果たして自由な人間と呼びうるものなのか?
これは、人間の自由意思と社会秩序の在り方を問う物語。
暴行、強姦、殺人。
アレックスの犯した犯罪は、子供のいたずらで済むようなものではない。
だからこそ、暴力衝動のままに笑いながら人を傷つけ続けた時代を少年時代と一蹴し、
自分は大人になりかかっているんだと記した彼に問いかけたい。
それは、命を奪われた人たちに対して、あまりにも無責任な自己完結ではないだろうか?

そもそも、過去の行動によってアレックスが被害者家族からどんな行為を投げつけられても、
それは自業自得としかいいようがない。
とはいえ、反省の兆しがないからといって、自由意思の奪取を推奨する気にはなれない。



内容(「BOOK」データベースより)

近未来の高度管理社会。15歳の少年アレックスは、平凡で機械的な毎日にうんざりしていた。そこで彼が見つけた唯一の気晴らしは超暴力。仲間とともに夜の街をさまよい、盗み、破壊、暴行、殺人をけたたましく笑いながら繰りかえす。だがやがて、国家の手が少年に迫る―スタンリー・キューブリック監督映画原作にして、英国の二十世紀文学を代表するベスト・クラシック。幻の最終章を付加した完全版。

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