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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「死んでいる」ジム・クレイス (白水uブックス)



一方的な暴力によって、理不尽に奪われた命。
唯一の救いは二人が共に逝けたことで、
襲い来る恐怖に一人で震えなくて済んだことだろうか?
そう思う私は自称ロマンチスト。
彼らの身に降りかかった事象がただ淡々と綴られるリアルな描写には感傷の入り込む余地はない。
生きているからこその有機体。
命が消えてしまえば、無機物になる。
それが、死ぬということ。
だけど、その人が歩んできた人生は、関わった人々の胸に思い出として刻まれる。
過去と現在を行き来する彼らの物語から、そう、感じられる。
彼らは死んでいる。だけど、間違いなく生きていた。

20年前に読んでいたら、感想は全く違ったと思える作品。
読み時ってあるんだなぁ、と。
あと20年後に読みたいか?と問われると、多分読みたくない。
今がベストだったんだと思う。
【ガーディアン必読106/1000冊】

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