きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「血と愛」ヘルマン・ヘッセ(新潮文庫)
究極の合わせ鏡。
誰よりも理解しあいながら、相対的な世界に属する二人。
相容れないことを理解した上での尊敬と敬愛。
心に秘めた二人の想いは決して言の葉に乗せられることはないと思っていたけれども。
ナルチスの告白に泣いてしまった。
あまりにも尊い友情、そして愛の形。
解き放たれた小鳥は流浪の旅を経て、豊潤な感性の泉を携えて戻ってきた。
「愛するというのは彼にとっては自然な状態ではなく、奇跡だったのだから」
愛を享受できた彼は幸せだった。
そして、帰る場所を得、芸術を生み出した彼も幸せだったに違いない。
この作品に出会えた私も幸せ。
奔放な経験による感性。
清貧と思索による知性。
いや、女ってそんか簡単じゃないよ?と、ちょっと思いつつ(笑)。
年の瀬にとても素晴らしい作品を読みました。
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