きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「越境 」コーマック・マッカーシー(ハヤカワepi文庫)
一連の出来事の発端をどこに見出せばよいのだろう?
だが、それを突き止めたところで、意味はない。
彼は既に、国境を越えてしまったのだから。
僅か10代の少年の3度の国境越え。
国境を越えるたびに彼は何かを失い、悲しみに見舞われ、そして何かを背負い、生者としての深みを増す。
理不尽に翻弄されながらも、損なわれることのなかった矜持。
それがひどく痛々しくも、眩しくもある。
個人的に一度目の越境の時の理不尽が一番許せなかった。
ああ、もう!と、胸をかきむしりたい読後。
だけど、それがマッカーシー。
中毒患者は次作に手を伸ばすのみ。
読んでる途中で注文していたBL本がドサドサッと届いた。
気になる。開封したい。
一般書の併読はできないけど、一般書とBLの併読はできる私。
楽しみにしていた新刊だから、
開封しちゃったらBLに手を出しちゃうのはわかってる。
だけど。
今回に限っては、本書を読み終わるまでこのストイックで野性味を帯びた世界に浸っていたい、いや、いなければ、という思いの方が勝って、読み終わるまでBLは封印。
その判断は間違っていなかった。
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