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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「青い眼が欲しい」トニ・モリスン(ハヤカワepi文庫)



無いものねだりという次元ではとても括れない切実な祈り。
「青い眼が欲しいの」
黒人の少女の悲痛なまでの願いは、偽りの牧師にですら、こう、言わしめる。
「かなえてやるのに一番ふさわしい願い」だと。
彼女をそこまで追い詰めた、目を覆うような出来事。
そんな少女のために、姉妹が願った奇跡。
奇跡は起きなかったけれども。
それはあなた達のせいではない。
偏見や差別が、同じ黒人の間にも蔓延る悲劇。
他者と己を比べ、その優劣を見つけては他者を見下し、己を卑下する彼ら。
だけど、そこが、彼らの生きる世界。
物語の進行は分かりづらいけれども、これしかないと思えるものだった。


彼女が語るように「なぜ」の答えを得ることはとても難しい。
だからこそ、知らなければならない。
彼らの悲劇を。
根本的な問題は眼の色ではないのだ。
それでも、願わずにいられなかった少女。
Coccoの歌声が相応しいと、何故か思ってしまった物語。
重かった。
【ガーディアン必読 53/1000冊】


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