きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「動物農場」ジョージ・オーウェル(角川文庫)
最初はみんな、同じ夢を見ていた。
同じ理想を掲げていた。
成就した反乱。
自らの手による政治。
だが、いつしか生じた格差は歪みを産み、最初に掲げた理念を持歪ませる。
そして始まる、追放。虐殺。圧制。
だが、彼らは声を上げることができない。
絶対的な恐怖を盾に出され、小さな疑問を飲み下す。
次第に停止していく思考。
気付けば、どうにもならない支配に呑みこまれていく。
項を捲っていくほどに、ジワジワと押し寄せる薄気味悪い恐怖。
それは、豚の在り方に起因する。
何故そこを目指した?
何故そう在ろうと思った?
いろいろと考えさせられる物語。
その状況を受け入れざるを得なかった動物たち。
理不尽を感じながらも、彼らをジワジワと追い詰めていく豚のやり方が
本当にいやーな感じ。
内容(「BOOK」データベースより)
飲んだくれの農場主を追い出して理想の共和国を築いた動物たちだが、豚の独裁者に篭絡され、やがては恐怖政治に取り込まれていく。自らもスペイン内戦に参加し、ファシズムと共産主義にヨーロッパが席巻されるさまを身近に見聞した経験をもとに、全体主義を生み出す人間の病理を鋭く描き出した寓話小説の傑作。巻末に開高健の論考「談話・一九八四年・オーウェル」「オセアニア周遊紀行」「権力と作家」を併録する。 --このテキストは、文庫版に関連付けられています。
PR
COMMENT