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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「流浪の果て」ヘルマン・ヘッセ(新潮文庫)



対照的な二編を収録。
人生の終焉間近な人たちの物語と、これからの時代を担う若者たちの物語。
「流浪の果て」
冒頭ののどかな風景描写に、
余生を仲間たちと穏やかに暮らす人々の姿を思い描いて読み始める。
個性が強い面々の養老院での暮らしがコミカルに描かれていて、
微笑ましく読んでいられるのも最初の内だけ。
孤独で生きる目的のない毎日に、壊れていく心。
そして、唐突に訪れる終焉。
とても寂しい。生き甲斐って大事。友達も大事。
「干草の月」
恋とは言えない。
かけひきですらない。
熱に浮かされたようなその瞬間の高揚に心を浮き立たせる少年と少女。
純情で残酷。

残念なことに、私にとっては二編とも読後感があんまりよくなかった。
とはいえ、風景描写の美しさは相変わらず素敵。
特に「干草の月」ではロママンチックな響きのある夜の描写が印象的。
でも、総括すると、うー、と、唸りたくなる読後なのでありました。
もうこれは私の受け止め方の問題(笑)





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