きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「ライオンの冬」沢木冬吾(角川文庫)
ハードボイルドに特化しきらないところが、この著者の持ち味なのかな?と。
最後まで読み終えて思ってみる。
ジーンとくる余韻がとても素敵。
山で静かに暮らす老人二人と女子高校生。
そんな彼らを護ろうとした者、奪おうとした者。
どちらにしても、彼らの生活に土足で踏み込んできたことには変わりない。
……と思ったら、日本政府、何やってんの?
身を守る術を知っていた、老兵二人の戦いっぷりが、カッコいいんだけど、哀しい。
老兵の血を引く女子高校生も、半端なくカッコよかった。
「誰かのために」戦った人たちの物語。
ラストシーンの続き、見てみたかった!
虎が山に残った理由が哀しかった。
と同時に、吾郎がいて、そしてあとから結も加わって。
そんな時間を過ごすことができて良かったね、とも思ってみる。
虎と結の会話が、本当に楽しそうだったから。
「生前贈与なんてするもんじゃない」
ちょっと前にリアルにそんな話を聞かされたばっかりで、胸が痛かった。
内容(「BOOK」データベースより)
伊沢吾郎、82歳。かつて日本陸軍の狙撃手としてフィリピン戦線で戦った男は、軍人恩給をもらいながら、孫娘の結と山奥でひっそり暮らしていた。しかし、ひとりの少年の失踪事件をきっかけに、雪山は緊迫感に包まれる。伊沢の動向を監視する謎の男たち。複雑に絡み合う思惑…。囚われた過去を背負いながら、老兵は愛する人を守るため、再び立ち上がった。ベストセラー『償いの椅子』の著者が描く、強く優しい絆の物語。
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