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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「蝶」ヘルマン・ヘッセ(同時代ライブラリー)



ヘッセにとって、儚く、美しく、そして滅びゆくものの象徴、それが蝶。
蝶に纏わる短編や詩編を収めた本書。
色とりどりな蝶に飾られた本書は、装丁も美しい……けど、
リアル蝶や蛾なので、苦手な方は要注意。
蝶を形容するために散りばめられた言葉の多彩さと、
その表現の美しさに魅惑され、
「キベリタテハ」を読みながら、指先に止まった蝶の軽やかさを思い出す。
本書購入のお目当ては「クジャクヤママユ」。
馴染の良いタイトルだと「少年の日の思い出」。
覆水盆に返らず、という言葉しか浮かばない。
とは言え、子供を正しく導くことのできる母親の存在は偉大だな、と、改めて。

「白と深紅のその蝶は、野の奥深くへと吹かれていった」
この表現が一番印象に残った。
蝶を追いかけて捕まえることのなくなった私にとっての蝶は「モチーフ」。
服や小物の柄に、綺麗で神秘的に描かれている物であるイメージ。
実際は繊細な翅をはためかせ、ふわりと風に舞うように飛んでいる生き物であることを、
改めて思い出しました。
蝶を触らなくなってどのくらいになるんだろう?



内容(「BOOK」データベースより)

美しいもの、亡びゆくものの象徴―蝶を、生涯にわたって愛しつづけたヘルマン・ヘッセ。蝶採集のときめき、異国の蝶や高山の蛾の珍品との出会い…。「華麗な恋人」蝶との熱いかかわりを綴る散文作品と、「色美しくそよ風のように飛ぶ」蝶を讃え、「きらめきながら消えてゆく」生命の神秘をうたいあげた詩。手彩色の銅版画などのカラー図版で飾る。

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