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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「瓦礫の矜持」五條瑛 (中公文庫)





「個」が腐っているからと言って
組織全体すべてが腐っていると決めつけるのは極論。
そもそも。
警察に対する恨みつらみを述べる者たちの言い分だって、
納得できるものもあれば、自業自得だったり身勝手だったりするものもある。
あなたが悪いから罰せられたんだよね?と。
結果的に、志の部分に大きな違いがある者たちのにわか組織は
連携」という意味でうまく機能しない。
けれども。それも計算の内。
章タイトルにあるように、一人一人の過去と生き様にスポットをあてて
大きな流れを描く構成は、個性的な人たちの魅力も相まって、おもしろかった。

東京、千葉、京都。と、リアル地が名出てるのに、
舞台となった都市は架空の街、仙水。
地元民としてはあっちもこっちも、あそこね、ここね、と思えてしまうので、
そこ、そのままリアル地名で良くない?と思ってしまった。
良く知っている街の描写だけに、「仙水」と出てくるたびに違和感。
だったんだけど。
ラストまで読んでみて、架空の街で良かったのかな?と、納得気味。



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「色悪作家と校正者の初戀」菅野彰 (ディアプラス文庫)



ネガティブイメージの嫉妬。
今回、この嫉妬の呑み下し方がとても良かった。
自分の知らない他者との交流が、相手の人生のプラスに作用している。
故に、嫉妬を相手にぶつけてしまえばその世界を狭めてしまうことを自覚し、
己の内面で留めようと努める大吾と正祐。
それでも消化しきれない想いは、二人の関係を知る篠田に吐き出して収める。
相手の世界を尊重するのも、嫉妬を飲み下すのも、
情人を信じているからこそ。
特に。
大吾の「お前を信頼している」の言葉が嬉しかった。
あとがきを読んで、この先品が今後どう展開していくのかとても気になってみた。


同じ本を読んでその本に対する思いを語り合う。
それが楽しいと言う彼らの心情がよくわかる。
「岳飛伝読み終わったから感想語りたい!」
と連絡をくれる友だちがいることが、ただ嬉しい。
「アルスラーン読み終わってめっちゃ言いたいことあるんだけど!」
と返せることも嬉しい。
読友さんたちと共読本が増えていくこともひたすら嬉しい。
特典のペーパーはラザニア。
好きなんだけど、作ったことないんだよね。
今度チャレンジしてみようかな。

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「デザートにはストロベリィ」 (モノクローム・ロマンス文庫)



シリーズ三作目。
このシリーズの共通項は、育ちも考え方も違う二人が
相手のことを想い、その考え方を汲み、歩み寄れる着地点を探るところ。
その過程が丁寧に描かれていて、切なさにも喜びにもとても共感できてしまう。
自分が動かなければ駄目だとジョナサンが決意するシーン。好きだなぁ。
彼が欲しているのは自分が手を伸ばさなければ手に入れられないもの。
気づけて良かったね。
途中でタイトルの意味を深読みして、めっちゃセクシーって思った。
当事者二人とジョナサン父との対話もとても良かった。
二人を理解しようとしてくれたジョナサン父素敵。
大満足の読後。


「家族がいつでもそこにいるとは限らない」
そうだよね。
どんな理由でかはそれぞれだろうけど、いつかは離れる時が来る
だから、一緒にいる間はできること怠けないようにしたいなぁ、と。
その時がきても後悔しないようにね。

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「恋人までのA to Z」 (モノクローム・ロマンス文庫)



【再読】
人と人の出会いが、彼らのその先の運命を変える。
ザックとアンジェロ。
出会ったことによって、アンジェロは苛まれてきた孤独感からの解放への一歩を踏み出し、
ザックもまた、単調で無味乾燥な日々との決別を迎える。
だけど、二人だけではその関係を築くことはできなかっただろう。
マットとジャレド。
彼等と出会うことによって、二人は互いを人生の伴侶として認め合うことになる。
付け加えれば、ザックの寛容さというか、懐の広さがあってこその関係。
呑み込み続けた言葉を口にすることができたアンジェロ。
もっと年を重ねた彼の姿が見てみたい。


それにしても……続刊が出るまでに6年とちょっと。
何年かかっても続きが読めるのは嬉しいのです。
M/M作品好き好き♡
もっともっとたくさん翻訳されるといいなー。
BGMは「朝まで生テレビ」。
田原さんの年齢を検索して感心してしまった。
幾つになってもバリっと元気でいられるといいね。

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「ロング・ゲイン ~君へと続く道~」 (モノクローム・ロマンス文庫)



【再読】
読み進めるほどにじわじわと胸が熱くなる。
自分がストレートであると言い聞かせて生きてきたマットがジャレドに惹かれ、
その想いを認め、そして告げるまでの葛藤。
ゲイであることをオープンにしつつも、マットに惹かれる思いと周囲の偏見に苦悩し、
マットと共に一歩を踏み出すことに躊躇するジャレド。
彼等を見守る、或いは理解しようとしない家族との在り方。
周囲の人たちとの折り合いのつけ方。
丁寧にその先を探っていくセックス。快楽を分かち合うリバ。
コロラドの大自然の描写。
何もかもが良かった。
大満足の読後。

新刊を読む前に既刊再読。
ジャレドの母の言葉が心強い。
「他人の考えていることは変えられない。できるのは自分の人生をどう生きるか。
自分で決断することだけよ。他人のことなんか放っておきなさい」

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「熱氷」五條瑛(講談社文庫)



そんなことにはならないよね、と思いながらも。
え?この作品出版されたのいつ?と発行された年を確認しつつ、
メッチャドキドキした。
五條さん、相変わらず時代の先読み感がすごい。
のめり込んで一気に読ませる群像劇。
始まりは氷山ハンターから。
へぇ、そんな仕事があるんだ!と一つ物知りになったところからスタートして
まさかこんな展開になろうとは。
登場人物たちの曰く在りな過去も、今を生きる姿も魅力的。
決してクリーンな人たちばかりじゃないけど、
逞しく生きる姿はカッコいい。
「あっちで会おう」うん。私もまた、アナタたちに会いたい。→


スキンヘッドの皮膚を爪やすりで直接研ぐ!
という描写に鳥肌。
いーたーいーーー。

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「赤い砂」伊岡瞬 (文春文庫)



感染したら死を免れない未知なるウイルスは怖い。
とても怖い。
それ以上に不快で気持ち悪いのは人間の悪意。
更に。
都合の悪いことには蓋をしてなかったことにしようとした警察。
たった一人の刑事が彼らの死を不審に思い、身体を張って声をあげなければ、
真実が明るみに出ることはなかった。
それも怖い。
表紙がとてもインパクトがあって、手に取るのを一瞬躊躇したんだけど、
内容は一人の刑事が闇に葬られかけた事件の真相解明のために孤軍奮闘する物語だった。
奇を衒わない愚直な正面突破。その泥臭さ、嫌いじゃない。
結果的にその行為が真実をこじ開けた。
その代償は…→

ウイルスとは?ワクチンとは?
説明に専門的な方向に振り切れがちな事柄を、
とてもわかりやすく書かれていて、改めて勉強になった。
日本で標高が一番、二番、三番目に高い山が一度に見渡せる丘……三峰の丘。
行ってみたーい!いや、行くなら一番高い山、富士山でしょ!(五合目まで・車で)
と、自分につっこんでみました。
新潟まで出張に行ったついでに、車を飛ばして富士山に登ってきたウチのボスの行動力、半端ないと思った昨年の出来事。



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「最凶の恋人 -組長の女神様-」水壬楓子 (B-BOY SLASH NOVELS)



狩屋視点で描かれる、過去物語。
面白かったんだけど。
どうしても文句を言わないと気が済まない表紙は健在。
遥に服を着せてください。
脱がせる意味が本当にわからない。
私が唯一イラストに文句を言いつづけてるシリーズだわ。
それでも買って読んでしまう不思議。(笑)
遥が自分の手の届くところから飛び立ってしまうことを、一度は享受した柾鷹。
だからこそ培われた今の関係、という件に納得。
アメリカに旅立つ遥の知らないところで、あんな事件があったとは。
窮地に立っても動じずの柾鷹父。かっこよかった。
水壬さんの叔父様萌え、絶賛応援します!

前作の自分のレビューの書き出しが
「表紙がトンチキじゃないことにほっと胸をなでおろしたシリーズ15冊目」ってなってて。
ちょっとまた半裸に戻ってるじゃん!と、脱力してしまったww
ホントやだー。←作中の遥のイメージじゃないの。全然違うの。
と、遥のために文句言ってるけど、私の推しは狩屋だったりします♡

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「天涯無限 アルスラーン戦記16」田中芳樹 (光文社文庫)



あと一冊で終わるの?と危惧した自分、どこへやら。
不思議と。
不思議と納得している読後の自分発見。
歴史ってそういうものだよね、と思った瞬間、
田中さんの書きたかったのは「物語」ではなく
「歴史小説」だったんだろうな、と忖度してみた。
蛇王の成り立ちとか突っ込みたいことはあっても、
個人的にはこのエンディングで良かった……
というか、これしかなかったと思う。
後に残された者が一番辛い。
だから、ラストは思わず涙ぐんでしまった。
よかったね。と。
本当に良かったね、と。
夢見心地のままの読後の余韻に浸りたい。
大好きな彼らと共に。

最後まで読んでよかった。
そして、完結させてくれてありがとう。
ホラーが途中経過が一番ドキドキして心臓に悪いみたいに。
この作品も途中経過が一番しんどかった。←そこ、一緒にする?(笑)
だから正直、もの淋しいながらも、
ここまで穏やかな気持ちで読了できるとは思わなかったわ。
人の命は有限だってわかってる。
100年後には誰もいない。
だけど、今この瞬間にはここにいる。
だから、今を精いっぱい生きるの。

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「戦旗不倒: アルスラーン戦記15」田中芳樹 (光文社文庫)



なにもかもがフラグに思えて仕方なかったからね。
おめでとう!の前に、ちょっと大丈夫?って思ったからね。
わかってた。
わかってたよ。
でもこのやるせなく腹立たしい気持ちをどこにぶつければ!?
とはいえ、力の差は歴然。
相対してしまったからには……し、仕方なくなーい!←往生際ww
あっちもこっちも敵だらけなうえ、まだラスボス残ってますけど。
次巻でどう決着つくんだろう?
あ、宝剣ルクナバードがまだ活躍してなかった。
それにしても。
何処の国も人命、しかも男子の命が失われまくりで、
この先、国としてやっていけるの?

なんかガッツリメンタルやられたけど、明日も会社に行かねば。
蛇王は巨神兵みたいに腐って崩れないかなーとか。
ちょっと妄想してみました。

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