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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「ドリアン・グレイの激しすぎる憂鬱」菅野彰 (ディアプラス文庫)



ひっそりと閉ざされた世界で、寂しさで己の心を埋め尽すかのように
時を過ごしてきた白洲。
自分はそうして生きて、朽ちていくのだと本人ですら思っていたであろう白洲が、
実はきれいでやさしいことに憧れているということを見抜いた宙人は、
白洲の閉じこもった世界をぶち壊して外の世界へ引き出した。
このバランスが絶妙。
歳の差があって、全く相いれない世界の住人で。
だけど、強引に内側に踏み込んでくるほどぶしつけではなくて、
相手のことを慮る感性を持っている。
本音を晒して楽に息が出来る相手の前では無防備にもなるよね。
身も心も預けたと思わせつつ、主導権を握っている白洲を微笑ましく思いながらの読了。


真夜中にお風呂に入っていると、時として聞こえてきた踏切の音。
子どもの頃の私はそれが銀河鉄道が通過する音だと思ってとてもとても怖かった。
乗ってしまったらカンパネルラと同じ世界へ連れて行かれる気がして。
アニメのおかげで脳裏に浮かぶジョバンニもカンパネルラも
私の中では猫の姿をしています。
読み返したくなるなー。

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