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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「ムーンライトマイル」一穂ミチ(ディアプラス文庫)



【焦るまでもなく、とっくに好きだたのだろうか。
 昼と夜の継ぎ目を探すみたいに何かしら決定的な一瞬に
 こだわっていたから気づけなかっただけで】

大地を知れば知るほど、近づけば近づくほど、見失う気持ち。
始まりが歪だっただけに、余計に自分の心がわからなくなる昴。
そして相手を抉るような言葉を投げかけて、多分確かめるのだ。
愛の所在を。
貞操観念のなさに、え?この子、大丈夫?と思った大地が
とても懐の広くて愛情深い男子で、本気でカッコいいと思いました。
さすが、高梨家で育った子だわ(笑)
混乱する昴とは対照的に、大地の気持ちはぶれない。
昴の気持ちが大地に少しずつ傾いていっているのが感じ取れる文章が素敵。
そして決定的だった亘の言葉。
第三者の方がよく見ている。
明確な区切れ目を探す必要はなく、気づいたら好きだった。
恋はそれで十分だと思う。

流星と太陽のその後が伺えたのがとてもよかった。
「あのふたりには互いの骨をひとかけら交換したような、
余人には立ち入れない結びつきがあった」
この表現、すごく好き。
綺麗な言葉が随所にちりばめられていて、一文一文を噛みしめてしまいました。


内容(「BOOK」データベースより)

上映中のプラネタリウムで彼女に浮気を咎められ派手に振られた大地。学芸員の昴にきつい皮肉を浴びるものの、なりゆきで科学館でアルバイトをすることになる。昴は大人しげな見かけに反して気が強く厳しい。そんな彼に最初は苦手意識を持つ大地だが、天文一筋で誠実ゆえに偽りのない昴を知るほどに惹かれてゆく。その視線の先に別の誰かがいると気づいた時にはもう後戻りできないほどに―。年下攻星屑ロマンス。

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