きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「二月病」尾上与一 (Holly NOVELS)
血なまぐさい事件。
高校生男子の日常。
職を辞した元新聞記者。
そして身を焦がすような恋心。
相容れないようなそれらのものがすべて違和感なく混在し、
見事に紡がれる一つの物語。
「何故?」とか「結局犯人は?」とか、
そんなことは些細なことで、圧倒的な読み応えに震える。
二月に恋を告白した蒼司と、少し遅れて自覚した千夏は、
二月が終わる前には深く気持ちを添わせていく。
静かに燃え上がった苛烈な恋。
同じく二月に起こった物騒な出来事は、二月が終わる前に沈黙する。
そして若田は足りない二月を永遠に追い続ける。
そして私は彼らの幸せを希う。
実際に鉄塔を見た時に周囲をがっちり柵で囲まれていて、
「ボルトを抜かれたりいたずらされたりしないようにこうしてるんだよ」という説明をしてもらった。
「何かあったら電気が滞って大変でしょ?」と。
その時は「そうだね」で終わったけど、
まさか実際の送電鉄塔倒壊事件をモデルにした作品にここで出会うとは思わなかった。
経験値って色々繋がるものなのね。
PR
COMMENT