きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「人でなしの恋」かわい有美子 (リンクスロマンス)
時は昭和初期。
第一高等学校時代から仲の良かった三人。
仁科、花房、黒木。
共に過ごす年月が増すごとに、
複雑に絡み合っていく三人三様の想い、
時に感情が勝り、時に理性が勝り。
だけど、どうしても嘘のつくことができない心の底から込み上げる想い。
そんな彼らの心情が丁寧に描写されていて、引きこまれると同時にやるせなくもなる。
仁科から見た黒木と花房から見た黒木。
それぞれの解釈が全く違うところがおもしろい。
仁科の想いには胸が痛くなるし、
誠実で実直な花房もまた、捩れた想いを抱えている。
少し苦味の残る読後感が、また心地良い。
関東大震災、小石川、というワードは『はいからさんが通る』と直結。
私は隻眼の黒い狼が大好きでした。
仁科、花房、黒木の三人が別な作品にも出ていることをさっき知ったけど、
既にかわいさんコンプしている私は慌てない(笑)
積んであることの利点は「いつでも読める」
次は『金の小鳥の啼く夜は』にいきます。
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