きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「寄せては返す波のように」六青みつみ(ガッシュ文庫)
「ほんと、エリィってお馬鹿さん」と、ため息をつきながら読み始める。
だけど、早々に自らの過ちを悟り、同じ愚を犯さないように、
愛しいものを決して失わないようにと懸命になる彼と、
零れ落ちる記憶を必死で手繰り寄せるルースとの交流が、
胸が痛くて、だけど微笑ましくて、やっぱり苦しくて。
紡がれる彼らの言葉のやさしさと切なさに涙が滲む。
孤高に在ることしか知らなかったエリィが周囲の人たちと打ち解けていく様が
丁寧に自然に描かれていて嬉しくなる。
「君が忘れたら何度でもくり返そう」から始まる最後のモノローグが好きすぎて、
何度も涙目になりながら反芻して幸せに読了。
この作品、本当に本当に大好きです。
ホント、どうしようもないわねぇ、とため息をつきたくなるエリィが
ルースと出逢って、変わっていく様がとてもやさしい。
修復不可能かと思われたショアとの「いま幸せ?」のやりとりに
良かったね、と、心から安堵した。
たくさん泣いた分、ルースはエリィの腕の中で幸せになるといいと思います。
PR
COMMENT