きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「彷徨者たちの帰還 ~守護者の絆~」六青みつみ(リンクスロマンス)
一人で生きていくための手段と糧。
「聖獣」がなんであるかもわからないままの、手探りでの子育て。
本能的な誓約。
世界観の作り込み方が半端ないから、
必死になって生きていく彼らの姿が、リアルに目に浮かぶ。
互いの存在だけをよすがに積み重ねられた歳月。
守り守られ、懸命に生きてきた彼らの「在るべき場所」への帰還。
心無い者たちのおかげで人間不信に陥ったキースが、
宮廷の者たちに心開いていく様は心地よかった。
フェンリルの子供じみた独占欲がちょびっとめんどくさいと思いつつも微笑ましい。
お約束になってきた葛藤は、先輩たちに導かれて無事解決。
ほんわり読了。
シリーズ4作目。
前作の面々が随所で顔を見せてくれることが嬉しい。
「寝るの?」「そうだ」「まだ昼間だよ、眠くない」「そっちの寝るじゃない」
この会話、ものっすごく可愛かった。
内容(「BOOK」データベースより)
帝国生まれでありながら密入国者集団が隠れ住む『天の国』で育ったキースは、聖獣のことも騎士のことも知らずに育った。生来の美貌のため、キースは幼い頃から性的な悪戯を受けたり襲われたりすることが多く、人間不信に陥っていた。そんな折、成人の儀式で光り輝く繭卵を見つけ大切に保管する。数年後、孵化した聖獣に驚くキースだが“対の絆”という、言葉も概念も分からないまま誓約を結び、聖獣をフェンリルと名付け、育て始めるのだが―。
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